宜興人文之林儲安平衣冠塚、団氿風景区

2024年3月、前年に繋がった上海地下鉄と蘇州地下鉄を乗り継いで蘇州方面へ向かう機会があったので、ついでに、蘇州から無錫経由で宜興へ行ってみました。宜興の郊外にある共同墓地内に、地元出身の著名人が祀られている人文之林と名付けられた区画があり、そこに儲安平衣冠塚があるということなので、そちらに向かいました。

共同墓地内に入ると、上海市副市長等の要職を歴任された潘漢年の事績陳列館、衣冠塚がありました。潘漢年については、遠藤誉作品に登場したりするので、ご存じの方もいらっしゃるかと思います。後に、投獄されたりしましたが、文革後に名誉が回復されました。

さて、人文之林内に入ってみると、まずは、「田横五百士」等の作品を描いた画家として有名な徐悲鴻と夫人の衣冠塚がありました。

奥へ進むと、各人物の碑が並んでいて、その中に、民国時代に果敢な政権批判等を行われたリベラル派ジャーナリストで、新中国成立後は、新華書店本店副総経理、出版総署発行局副局長、民主諸党派九三学社中央委員兼宣伝部副部長、光明日報編集長等の要職を歴任された儲安平の衣冠塚がありました。儲安平については、「新編原典中国近代思想史」(岩波書店、2011年)に一部の作品が収められているようなので、ご存じの方もいらっしゃるかと思います。後に、反右派闘争や文革に巻き込まれ、1966年に失踪という悲劇に見舞われました。ここには、遺品等のみが納められているので、衣冠塚ということですね。

他にも、第二次世界大戦時に、勇敢にも、欧州ベルギーで反ナチスのベルギー人の救済に尽力されたという銭秀玲の記念碑等がありました。

街中に戻り、景勝地である団氿という湖の東岸を北上してみました。夕日が湖面に映り、眩しかったです。宜興長距離バスターミナルの向かい側に、徐悲鴻公園があり、公園内には徐悲鴻の像がありました。今回は時間の関係で、徐悲鴻記念館等、他の観光地は廻れなかったので、また次の機会に廻ってみたいと思います。

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